模範囚歌词
作词 : 熊谷和海
作曲 : 熊谷和海
せめて独房ならどんなに
気が楽だったろう?
70億の罪人が暮らす
この世は座敷牢
懲役は100年
罪状は知らされてない
僕は粛々と服し
何ぞ 恩赦待つ模範囚
点呼する
夜が僕の囚人番号(な)を
浅い呼吸の音で応える
いつ終わる? 罰のような人生よ
星灯りで今夜も詩を書く
絶叫を飲み込むたび
胃がもたれていく
吐き出さねば気が狂れる
だからこんな詩を書く
脱獄はできるらしい
電車に飛び込めば 楽に
企てたこともあれど
現在は 勇気なき模範囚
点呼する
朝が僕の囚人番号を
歯を磨く音で応える
連行する 太陽が僕を生活へ
「ヒト」という所内労働(しごと)へ
手錠も足枷もこの刑には要らない
肉体という不自由が
魂を締め付ける
もういいだろう 赦してくれ
今すぐに釈放してくれ
下らないこの世界から
苦しみだけの生から
もう…
…いや
こうして詩を書くのは好き かもな
歌うのも楽しい かもな
聴いてくれる囚人仲間のキミもいるし
悲しみを歌に変えたとき
愛しさを分かち合えたとき
その瞬間は自由かも
たとえ檻の中の自由でも
夢見て 恋して 芸術を愛して
楽しまなければ損かもな
己が心
映すから「現世(うつしよ)」か
天獄か地獄かは自分 次第
この詩を書いてたら ふと
そう思ったんだ
点呼する
世界が僕の囚人番号を
精一杯の歌で応える
点呼して キミよ
僕の囚人番号を
点呼する 僕も
キミの囚人番号を
点呼する…
最期は「独房でなくてよかった」
と笑いたい
僕は粛々と服し
今日も愛 歌う模範囚