PAPARAZZI~*この物語はフィクションです~歌词
作词 : 野田洋次郎
作曲 : 野田洋次郎
ねぇねぇ お父さん、お父さん 今度の国語の宿題で
『お父さんのお仕事』って課題で明日までに作文書くの
みんなの前で発表もしなきゃで ほんとにイヤだけど頑張るよ
先生もみんなのお父さんの自慢を楽しみにしてるって
そうか、いいかい? お父さんの仕事は普通とはちょっと違う
大きな意味では世の中の人に娯楽を提供してるんだ
役者さん、ミュージシャン、スポーツ選手や著名人
家の前だとか仕事場でも どんなところだって張り付いて
その人の日々の監視をする そういう仕事をしてるんだ
そして何か悪さをしたり面白いことが起こったりすると
それをすかさず記事に書いて 世間のみんなに知らせるんだ
体力も根気もなきゃいけない とても大変な仕事なんだ
なにほざけ 盗撮、盗聴、尾行、張り込み
好きなだけやりたい放題 天誅下したつもりかね
してやったり顔が見え見えで
気持ちがね どうにもこうにも悪い
あんたらはどれだけ立派な人生なんだ?
どのツラさげてんなことしてんだ
倫理に反したあんたらが
なに「不倫だ、不純だ」言ってんだ
国家権力にゃヘコヘコします 弱いものイジメが板につきます
あんたの子供の頃の夢はまさか それじゃなかったよな?
知りたくもねぇ 必要もねぇ ただ誇り持ってそれしてんならねぇ
ドカドカ踏み込んでくる割にさ コソコソ逃げたりすんなやあんた
卑怯を絵に書いたあんたの言葉 薄っぺらすぎて悲しくなんさ
『君の名は。』の大ヒットが起こるとすかさず出てくるゲスなやつ
ポッと出で出てきたわけじゃねぇ こちとらメジャーで10余年
こんな変わり者の俺の音楽を待ってくれてるファンたちと
絆を一つずつ作り上げ 毎度アリーナツアーやってんだ、バカが
それがなんだ? 俺のとこなら100歩譲ったとしても
実家の親の家にへばりついて 堂々直撃してきたな
「息子さん、苦節10年 成功してよかったですね
親御さんとしてどうですか」 あんたの親にも聞いたろか
よかったですね 、息子さん 無事立派に大きく育たれて
朝から車の中で一般市民の家の前張り込んで
嫌がるのを無理やり話聞いて 許可も取らずに写真撮って
雑誌に載せて 稼いだ金で 今日も生きてる息子さんに
ひと言、何かありますか? ないですか ないわけないですよね
なくても聞いてくるのが 息子さん 絞り出してでも言ってごらん
お父さんすごいね お父さんがいないと困る人たちいっぱいいるね
やっぱかっこいいなお父さん いつまでも僕の自慢だよ
でもいいかい、中には父さんのこの仕事を馬鹿にしたり
軽蔑したりするヤツもいるんだ だけど父さんは負けないよ
父さんは胸を張って生きてる 求められるからやっている
父さんの仕事を楽しみにしてる人のために 頑張るよ
はいはい、自分の仕事に自信を持っているのは結構です
堂々と今日も 胸を張って生きてて何よりです
じゃあ尾行がバレてカメラ向けられても堂々と逃げず答えろや
カップルのフリで隣座って ストーカーばりに盗み聞くな
人間不信 情報不信 頭がおかしくなりかけた
それでもさ、笑うのか? あんたらにゃ何も伝わらんか
煽って報じるテレビがわりぃ こぞって食いつく世間がわりぃ
「求められるからやっている」? すごいね神様みたいだね
あんたのわずかなオマンマのタネに 世間のわずかな娯楽のために
抹殺された人々は それでも生きていくんだから
俺はやるべきことをやっている
君は恥ずべきことをやっている
恥ずかしくないと言うのなら 隠れず盗まず生きてろや
目を見て話ができなくて 何が堂々と生きてるだ
お父さん書いたよ、頑張ったよ 明日の発表楽しみだ
みんなの前で胸を張って 大きな声で読んでくるね
ありがとな ほんとにな お前は誇れる息子だな
そうだ、明日のことだけど しばらく休みもなかったし
一緒に遊んでやれなかったから 家族旅行にでも行こうか
だから学校は休んでいいぞ 先生たちには内緒でな