徒花ヶ原歌词

頼りなくただ一つの
願いで揺れている
石畳のかざぐるま
狂い鳴くひぐらし

斜陽に踊る陽炎
雲が渡っていく
照らす茜抱く古道
どこまで続くだろう

旧く懐かしき戸隠よ
美しや暮れる紅葉
想いひらり、どこへ行ける
影絵を辿りながら

あなたを探して帰る夢路
水明かりの蛍追う声を
声を、その声だけを
今はただ標に

匂い立つ花は泡沫
人波行き交うまほろばよ
あなたに出会い、恋を知った
伝う涙の意味も

永遠はどこにあるだろう
過ぎ去った季節のその中に
「ありがとう」と言えなかった
僕が立ち止まっている

感情の砕きかたを
知っているのなら
傷つかないものだけを
選んでいけるだろう

風吹く鬼無里(きなさ)は灼(あらたか)に
恋しや暮れゆく都
南天、飴細工、カランコロン
千年の音色が鳴る

あなたを探して還る夢路
水灯篭が乗せ流る声を
声を、その声だけを
今もまだ標に

花は散り、火に雨が降る
夕霧が煙る浮橋に
ああ、ようやく辿りついた
徒なる源流へと

永遠は別れに似ている
既設に終わりがあるように
あの日二人 繋いだ手を
今ゆっくりと離して