ツナギ蝶歌词
何処(いずこ)より 生(う)まれ出(い)づ
千(せん)の祈(いの)り 呑(の)まれてゆく現(うつつ)の空(そら)
静寂(しじま)の途(みち)の人形(ひとがた)は動(うご)かず
もし再(ふたた)び君(きみ)の声(こえ)が聞(き)こえるなら
何(なに)を語(かた)るのでしょうか
光(ひかり)ある明日(あす)は いつも
死(し)に逝(ゆ)く者(もの)たちの亡骸(なきがら)の先(さき)に
何処(いずこ)より血(ち)の香(か)を頼(たよ)りに
舞(ま)ひ出(い)づる蝶(ちょう)の影(かげ)
終(お)わりなき罪(つみ)を俱(とも)に
彷徨(さまよ)う ひらひらと
朧月(おぼろづき) 照(て)らすは
冷(つめ)たき灰(はい)となる躯(からだ)から
逆(さか)さまに堕(お)ちる御魂(みたま)
私(わたし)に焦(こ)がれて目醒(めざ)めよ
黙(もく)したまま
風(かぜ)に馴染(なじ)む夜明(よあ)けのとき
何(なに)も要(い)らぬと微笑(ほほえ)みながら なお
散(ち)る間際(まぎわ)の桜(さくら)の樹(き)に 真名(まな)を刻(きざ)み
誰(だれ)に遺(のこ)すのでしょうか
君(きみ)の灯(あかし) 穿(うが)つ雨(あめ)に
いずれは形(かたち)すら
消(き)えゆくとしても
燃(も)え上(あ)がる焔(ほむら)を巻(ま)き上(あ)げ
耀(かがや)ける蝶(ちょう)の群(む)れ
最期(さいご)まで強(つよ)く脆(もろ)く
崩(くず)れる はらはらと
凛(りん)とした眼(まなこ)の奥底(おくそこ)
朽(く)ち果(は)てる まほろばに
止(と)め処(ど)なく堕(お)ちる泪(なみだ)
この手(て)で掬(すく)ひて 憐(あわ)れむ
人(ひと)の世(よ)と彼(あ)の世(よ)の つなぎ手(て)
舞(ま)ひ戻(もど)る 蝶(ちょう)の影(かげ)
終(お)わりなき旅(たび)を俱(とも)に
私(わたし)と逝(ゆ)きましょう
名残月(なごりづき)
蛹(さなぎ)が夢(ゆめ)みる面影(おもかげ)は 蝶(ちょう)の羽(はね)
抜(ぬ)け殻(がら)は白(しろ)く昏(くら)く
全(すべ)てを忘(わす)れて
ただ 私(わたし)の袖(そで)で眠(ねむ)れよ
終わり
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