音楽誕生のお話歌词
月が、静かに微笑む夜
遠い昔の人たちもまた
この月を、こんなふうに眺めていたのか
と、私の心は
時間を越えて、旅にでる
嘘か、本当か
一つ、こんな話がある
むかしむかし、ある星で
一つの言語が栄えていた
人々はなんでも言葉を持って言い合えたので
好きなことを言い
好きなように噂し
容赦なく、誰かを傷つけた
争いと慰めが
言葉によって繰り返されていたある日
気づけば、大切な人を
自らの言葉によって傷つけてしまったことに
自らもまた、傷ついた1人が
天を仰いで、願ったという
“言葉は私達が思う以上に威力がありすぎる
時に奔放で
時に実際の気持ちとはすこし違った印象でもあり
取り返しのつかないことを招くこともある
どうか私に
悲しみや優しさ、怒りや愛という感情を
もっとその思いのままに、高調することもなく
それ以上でも、それ以下でもなく
表現するてだてを、授かることはできませんか?
青が青ではなく
何千もの青があるように
私の悲しみは
彼女の悲しみとは
まったく違う、色なのです
赤が赤ではなく
何千もの赤があるように
私の愛情は、私でしか出せない色なんです
その色を、その思いを、表す術を
授かることはできませんか?”
願い続けた果に、彼の口から言葉は消え
心の中に、ただその思いだけが
色となって残っていた
ある晩のこと、沈黙を守っていた彼のその口から
美しいメロディーが流れ出した
その歌声は
言葉では到底、例えようもないほど美しく、切なく
そして愛に満ちていました
それが、月が初めてきいた
この星に響いた歌声だったとか
悲しみや、絶望の淵にも
愛を見出そうとした彼の心から生まれた
その世界ではじめての音楽
嘘か、本当か
どこかのホシで、そんな話があったという
月が静かに微笑む夜
そのホシの人たちもまた
この月を、こんなふうに眺めていたのか
と、私の心は
時間を越えて、旅にてる