はじまりのワイゲルト歌词
作词 : 凋叶棕
作曲 : ZUN
「――かくて我を捨て玉ふなり。」
「――かくて我を欺き玉ふなり。」
響き渡る欷歔の声
こがねの瞳に光は虚ろ
..music..
「――されど君にはよもあだし名を。」
「黒き瞳子をや持ちたらん君には。」
その身独りふるはして
心は最早現には在らず
息絶えた物語の向こう側で
胎動する新たな物語が
夢違え――どうして私をと問いかけ
現し世は――過ごした日々をただ思いながら
空夢の――いつか貴方が口ずさんだ言葉
白日は――ただ虚ろに呟き続ける
..music..
黒き瞳子の子
産まれていたのならば
幻想を追っていつか何処か遠くへ
黒き瞳子の子
現に飽いたならば
幻想を編んでいつか何処か遠くへ
齢五つにして
母の姿ももはや
おぼろげにも垣間見た様な気で
その姿だけを
その名前だけをただ
胸の奥に刻んで生きていた
はじまりの言葉たるのは
遠い御伽噺か
或いは胸の内ずっと遠い記憶か
君が名前君が面影
いつかいつか今一度
アリスと踊れ
その言葉こそ
夢の都の合言葉たれ
夢と現と交叉するとき
幻想を掴み取って
アリスと踊れ
その言葉こそ
幻想郷の合言葉たれ
たといそれが現に見た
儚い幻でも
夢に生きて
在り続ければ
夢の扉は開かれん
夜は長く
遠い夜明けを望んで
アリスと踊れ
今はまだ穢れ行く街を独り歩き続けて
終わり