少女飛翔曲 ~ Everlasting Longing歌词
作词 : 凋叶棕
作曲 : ZUN
高らかに名乗り上げる
その名前 きっと 忘れえぬものとなることだろう―――。
けして外せぬ 道を歩くように
与えられた“妖怪退治(しごと)”を
「御役目だから」と言い聞かせ
そこに育っては そうなったというだけ
その身に纏う威光
その名さえ少し重いよう
それでもと 空を往く
目指すは悪しきモノの山
道半ば 立ち塞ぐ
孤高に踊るその影に
“博麗”を阻むもの その身の不幸を呪えよと
相対す
その名にもまるで臆すことさえもなく
風のように
雲のように
飛翔(と)んで
それでもけして自由にはなれないのに
かたや
なんて
楽しそうに 弾幕(と)ぶのか
その笑顔が
私にとってはただ、眩しい。
どこか奇妙な その姿かたちは
人であるようでいて
妖とともにあるようで
学の欠片とか
気の利いた言葉とか
そんなものは持ちえず
ただ空を飛ぶだけ知っている
「零(まっさら)」で 「無(からっぽ)」で
何も持たずに生きてきた
それがため囚われぬ
何もかもをも置いていく
忘れえぬあの顔が
幾度幾度と振り返る
何もない 無いことが
どうしてこうも羨ましいのか
風のように
雲のように
生きて
私なんかよりもずっと自由でいて
それが
ずっと
遠く 途方もなく
その全てが
私にとってはただ、悔しい。
お前がもし
私のように生きたとして
それでもあの時みたいに飛翔(と)んでいられるのか?
二人がもし
さかしまに生きていたとして
それでもあの時みたいに弾幕(と)んでいられるのか?
風のように
夢のように
弾幕(と)んだ
あの瞬間が今も忘れられなくて
いつか
きっと
あの気持ちのままに
名前も何もかもをも振り捨てて、きっと―――。
風のように
雲のように
生きて
自由になりきれないとわかっていても
けれど
ふたり
弾幕(と)んだ あの瞬間だけは
全てを忘れ飛翔(と)んでいた。
あの全てが
私にとってはただ、愛しい。