ふうりん歌词
入道雲が空乗せ家とって行く
片の恋と吹く風ここをつける
白い空に馴染んだ目線避けて
庭で揺れる高影の黒が染みか
汗ばむ背を畳から生き隠すは早く
言うたちが来ればいいのに
誰もいない部屋で
吹き込むぬるい風に
窓辺でつる冷めた蒼が
寂しくなく
もう何度目の夏だろう
耳を澄ます
ああ風が吹く
そのたびちりり響く
出かけるのを
迷って伸ばす足
蝉の声紛れて
遠来が鳴る
誰もいない部屋で
想い出にすらならぬ
繰り返しの虚無と
漕ぎと夏の静子
こんな当たり前の空も
今日の歌も
きっと振り向くたび
懐かしくなるのだ
過ぎ去るほど