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歩道桥歌词

歩道橋の上から愛が見える
汗を拭き乍らセールスマン風の
男が歩いてく
かごの中で鳥は狂い乍ら死んだ
枯れてうつむく赤いとうがらしの花
歩道橋の上から愛が見える
僕死ぬのは厭だ 僕死ぬのは厭だ僕
歌はひとつの「かご」かもしれないな
自動車〜弟、友春君への詩
吠え面をビュービュー
かくようなスピードで
空漠の中を若い自動車達が
走って行った
その後を追うように文句を
沢山用意して警察の
自動車が走って行った
そんな事よりすべてを土に返せば
いいんだと葬儀屋の自動車が
走って行った
幸福を幾つも幾つも笑った数字で
表わし乍ら結婚式場の自動車が
走って行った
四角く茶色い風景の中で
リヤカーに腰掛けた老人が
それをじっと視ていた
俺は石に坐ってその老人を
じっと視ていた
首に手拭いをした真っ黒な
優しい顔立ちだった
この老人と俺はいつ
一緒になるのだろう
法律と人生は自動車よりも
もっともっとスピードが
速いかのようだ
気が付いた時にはそこには
もう俺も老人も居なかった
静かに遠いエジプトの砂ぼこりが
少女のように舞っていた
今思い返してみると
あの自動車を運転していた人達は
みんな俺の青春だったような気もする
時間ばっかりやたらとかける
三流絵描きの故里だったような気もする
はっきり憶えている事は
夫々画用紙の顔をしていて
首から拳銃をぶらさげていた事だ
走り乍ら拳銃を撃つのは
むずかしいんだろうか
ねえ君は知ってるんだろう
ねえ君こそ知って るんだろう
気の強い男の眼玉が
花火のように今打ち上げられた
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