坊や歌词

ポッカリ月が出ましたら、
舟を浮べ（うかべ）て出掛け（でかけ）ませう。
波（なみ）はヒタヒタ打つ（うつ）でせう、
風も少しはあるでせう。
沖（おき）に出たらば暗いでしょう、
櫂（かい）から滴る（したたる）水の音（ね）は
然（しかし）ものに聞こえましょう、
— —あなたの言葉のとんれ間を。
月は聴き耳立てるでしょう、
すこしは降り（おり）ても来るでせう、
われら口付け（くちつけ）する時に
月は頭上（ずじょう）にあるでしょう。
あなたはなほも、語るでしょう、
よしないことや拗言や、
洩（も）らさず私は聴くでしょう、
— —けれど漕ぐ（こぐ）手はやめないで。
ポッカリ月が出ましたら、
舟を浮べ（うかべ）て出掛け（でかけ）ましょう、
波（なみ）はヒタヒタ打つ（うつ）でしょう、
風も少しはあるでせう。
ポッカリ月が出ましたら、
舟を浮べ（うかべ）て出掛け（でかけ）ましょう、