破局歌词
しかし、それが間違いだったことに気付くのに、
それほど時間はかからなかった。
お互いにあまりにも冷静さをかえていた。
あまりにも夢を語りすぎて、
現実から遠ざかっていったのである。
歯車はすぐにも狂い始めた。
そして、突然止まった。
またしても破局が訪れようとしていた。
ある日、僕がふと現実と価値観の問題を口に出した時、
恐らくだが、彼女は一瞬にして、
夢から覚めてしまったのかもしれない。
わたしが子供だからいけないのね、と彼女は言った。
ぼくはあえてそれを否定しなかった。
なぜなら、このままずっと夢を見続けられるはずがない、
というぼくの現実的な考え方が警告を発していたからだった。
そして、今度ゆっくり話し合う必要があるといったぼくの言葉が、
急速に彼女を遠ざけてしまった。
それまで、会えない日でも、
毎日交わしていたメールの内容はおざなりになり、
会って話がしたいというぼくのメールに、彼女は時間がほしいと答えてきた。
話し合う前に時間がほしいというのはどういう意味だ。
話し合ってからの方が、
時間が必要になるんじゃないのか。
一方的と感じた彼女のメールに、ぼくは、
それはお互いに時間が必要になったということなのかな、と返した。
ぼくの精一杯の抵抗だった。
このままでは、話し合う前にぼくたちは駄目になる。
そういう意味を込めたぼくなりの警告を発したつもりだった。
しかし、それ以来、彼女のメールはぷっつりと止んだ。