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リンダ歌词

ねぇ、彼がどこへ行ってしまったのか
教えてくれないか
彼は、なにもしゃべらなかった
でも、僕に向かって
いつも何か問いかけていたような気がする
彼は、自分を見つけようとして
しだいに、体の端から
自分が見えなくなるまで
自分を見つめ続けていた
君にわかるだろうか
そう言ったことがある
他の奴になんか
見えないだろうよ
それは人の弱さそのものなんだ
彼は弱さというものを信じていた
けれど、弱さというものを
どれくらい分かり合えるのだろう
君に見えるものは
彼には見えない
自分はこういう人間なんだ
そう言い切ってしまうことは
自分をとりつくろってしまっていることに
ほかならない
彼は、そう思っていた
彼は、舗道を歩きながら
車のクラクションや、人声、靴音や
彼を取り囲むすべての音の中で
いつも呟いていた
何なんだろう、俺は
彼自身には、見えない
君の見えるもの
それに合わせることが
きっとコミュニケーションなんどろう
彼を迷わせた
彼自身は言葉にならないことを
話したいと思っていた
君の姿の中に
弱さというものが存在することを
信じてしまわざるを得ないことを
彼は、そんな時、いつも後悔する
彼も否定出来ないからだ
たった一つの言葉があったとする
何でもいい
何でもいいんだ
そんなものの羅列の中で
いったい、どんな意味を見つけたらいいだろう
彼は手紙をもらった
リンダという少女からだ
午後のまだまぶしく、弱い光の中
でも愛せるかもしれないな
彼は、文字が自分の心を変えてしまうなんて
信じていない
君はどうだろう
手紙を読み終えても
心はやっぱり通い合わないような気がした
リンダ、君の笑顔のほうがよっぽど素敵なんだ
甘ったるい
それでも寂しいラヴソングが
彼には聞こえていた
灰色のひび割れた街の中
愛着の持てるものなんて
一つもない
似たような
そんなものばかりだ
愛着の持てるもの
それは、彼が、この前
川にほうり投げた自転車だ
それだけなんだ
そんなもの誰にも意味はない
それだから意味があるとか
困ってしまうんだ
彼は何者でもない
いやすべての者になりたい
舗道にはみ出している自動ドアのマットを
彼は、知らぬ間に踏みつけた
不意に開いた扉
店員がこっちを向いた
視線が彼を孤独にする
彼は、そいつに向かって
唾を吐きかけた
いや、知らぬ間に通り過ぎた
店員も彼なんか見なかった
どちらでもいいんだ
人を傷つけるのが嫌なんじゃない
人に勝とうなんて思わない
臆病者なんだろうか
自分は、自分でいたい
彼はそう思った
人と出会い
別れたり
わかり合おうとして
弱さとか
それはあまりにさりげないことで
今さら何を言おう
わかり合うことについて
わかってほしいけれど
淋しい思いをさせてしまうだけかもしれない
わかり合えなくて
それとも、君にとっては
そんなことないのかな
僕にもわからない
弱さとか
わかるような気がするけど
わかっていても
どうすることもできなくて
そんな心のクラクションが聞こえる

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