本能わずかな纯情歌词
その日の朝、
彼は自分が狂ってしまったこと知った
どんなにあがいても逃れることのできない心の壁
テレビニュースの報道する、すべての出来事の裏側に、
彼は自分の醜さを知る
何もかも見透かしたように笑う人々の自己主張が、彼の心の前に空回りする
失望という言葉を抱きしめて、自分の弱さに、人を愛することや死ぬことの意味を探ってみた
そして、時間が自分の体とどれくらいのリズムで調和するかを掴んでいる間に、
思い出したり、
嘆いてみたり、新しいものにかき消されたり、そんなふうにして震えていた
僕はここにいる
彼は、そうつぶやき続けた
何もない、
何も感じたりしない、
なんの喜びも悲しみというものもないまま、
優しさという言葉を手にするまでただ怯えていた
闇の中に不自然に、
そして、鮮やかに彩られたネオンの道
道路に描かれた標識の上に、彼は立ち尽くしながら、
空を見上げ、思い出してみた
道行くまばらな人々の小さな肩が、
寄り添い、ぶつかり合いながら、
彼は、なんだかそれらがおかしくて、
行けなとは思いながらも
吹き出してしまった
友達が嘆いていた
彼はすべての後悔を背負いながら声をかけてみた
おまえのせいだ
友達は言った
じゃあ、俺の悲しみは誰のせいなんだろう
彼は歌ってみた
最前線で戦う少年兵が、
小さなタマに当たって死んでいく
彼は、次は俺の番かもしれないと固唾を飲んでいた
愛と平和のために戦う人
愛と平和のために殺される人
愛と平和のために怯え
愛と平和のために生きようとする
愛が与えるものなら、
こんなふうになっただろうか
人は、自分愛する術を知らない
感謝しよう、すべてのことに
生きるということに付随した価値観に
諦めてしまうことができたら楽かもしれない
愛や平和が奪い合うことに始まるこの世界の中では、
諦めたら死んでしまう
愛と平和と欲望がとが混じり合い、回っている
朝をこぼした鏡の前で、
彼は、愛するものがあれば救われるかもしれないと思った