ギザギザのツメ歌词
雨の降らないかわいた街
いや俺の心が渇いているだけなのかもしれない
彼は、まるであてどなく家路を辿っている
電信柱の1本1本がとても硬そうに見えた
冷たく、硬く、脆そうな感じだ
この街に変わらないものなど一つもない
いったい何が、もっともすばらしいと言えるだろう
自分自身かい、でもそう思って生きることが
一番いいみたいな気がする
”ねぇ、君に触れてもいいかい。無理矢理口づけたりは、もうしたくないんだ
俺ってまだガキなんだ
猫なで声がいつまでたっても取れやしない
いつまでたってもガキなんだ
鉄条網の張り巡らされた僕の心の故郷に、愛する人を連れて行きたい
誰も気づくことのない彼の心の中の孤独は、深く無限の色に包まれ
誰にもその気持ちを晴らすことなんてできやしない
そう何かに気づかなければならない
彼は長く伸びた爪を、かじり、引き裂いた
ギザギザの爪は、とってもかっこ悪く
まるで彼を象徴しているようでもあった
自分の感性を信じていた
それ以外には、何もないのかもしれない
君が思っているわがままとは、少し違うんだ
彼の心の中には、君のことも、街のことも、世界中のことがいっぱい詰まっているんだ
きっと、君もそうなんだろうね
こんな唄がある
”あなたを悲しませるつもりはなかった
一度笑ってるあなたが見たかっただけ
パープルレインを浴びるあなたに会いたかっただけ... ...。”
山ほどのネオンが瞬いている街を、知っているような気がする
汗水たらして働く人々は、いつも昼の太陽の下でその輝きを失っている
通りへ繰り出す
ほんの30~40分の休憩の間だけ……
誰もそれを本当の自由とは呼ばない
君にこんなことを話したところで、どうなるものでもないのかな
ほんとうはね、何もかも一言で片付いてしまうことがあればいいんだけど……
僕のいつも身の回りにあるもの、例えばトイレの悪戯書き、なんだか笑ってしまう
こんなに汚れたところに、いったい、誰が、どんなふうに書き残していくというのだろう
どんな思いの中で?
どんな生活の中で?
晴れた空の太陽が、ゴミ屑の山さえ照らし出している
それが妙にちぐはぐに輝いている
彼にはそう見えたんだ
金が欲しい
そんな風に呟く人間が、この瞬間でさえ山ほどいるだろう
タフにならなければ
ねぇ何時間も君が来るのを待っていたのをどう思っているの?
ありきたりかい?
こんなやり方、背を向けて歩き出してしまうべきじゃなかったのかな、でもわかってくれただろう
言ったはずさ、ごめんって
街の連中は君と別れてからもそのままだよ
ガード下を潜り抜けるとねぇ、何かがはじけるような街の音
何もかももう止めて欲しい
僕を突き落とさないでくれ
いや、いいんだ、なんでもない
きっと僕は変わらないかもしれない
いやずいぶん変わったって言われるなぁ
何もかもありきたりになってしまう毎日の中で、
やがて今まで思い込んできた物事の一つ一つの意味を失っていく
そう、今の君みたいに
どうでもいいわけじゃない
風が冷たすぎるし……
だけど街路樹の落ち葉が風に舞っている
君がそれを見ている
僕は何かを見ている
君が求めるものが何かを知ろうとしている
音が聞こえる
何もかもノイズみたいに聞こえる
君の思うようにならない街の中で、彼は何をしているだろう
いったい、どんな意味があるのかわからない
何度も言ったように、ひどく無意味かもしれない
悪口みたいだ
退屈とかね
なんだか、でも素直になることができたらって思っている
どっかの青年の主張みたいだけどさぁ、くだらないあがきにすぎないって
気分を悪くする君もいるかもしれない
僕を僕と思わないでくれ、君になりたいんだよ
君の生き方もとってもドラマチックだ
生きることはそれ自体、最大のパフォーマンスだ
街を見るといつも思うんだ
君のために売り買いされるものすべてが媚びているって……
だからさぁ、きっと誰も見向きもしない真実が……
埋もれているような気がする
彼と僕とはそんなところでつながっている
君を受け止めたい
何もかも受け止めたい
君のことなんて、ちっとも何ひとつ知らないけど
今、ほんとうの君の幸福を願ったとしたら、許して欲しい
君のことをねぇ、さっきからずっと考えているよ
信じていたいんだ
いつかきっとさぁ、
君の部屋がいつも幸福に満ちている時が来ることを
こんな使い古された言葉は、君の目に、
今映る日常と変わらないものかな……
それでいいんだ