六、不老不死歌词
【脚步】
こうしてちゃんと小物屋を見て回るのはなんだか久々ですね
このところ日本は目まぐるしく変わっていく
二百五十年生きてきてこれほど時代が激動しているのは初めてですよ
あっ~そうでした、まだあなたに肝心なことを話していませんでしたね
いい機会なので、話してしまいましょう
私の正式な名前は天草四郎時貞と申します
もしかしたらあなたもどこかで聞いたことがあるかもしれませんね…
十津川家光くんが将軍を務めていた頃のことです
十六歳の頃、あるきっかけで不老不死の肉体を持つこととなりました
それからはずっとこの姿で、二百三十年余りの年月を生きてきたのですよ
【笑】
予想通りの反応です
こんな突飛な話すぐに信じろという方が無理だということは重々承知していますよ
なので今はまだ疑ったままで構いません
ですがこれは紛れもない事実なのです
だってこんな意味のない嘘をつく必要などどこにもないでしょ
まぁ、とにかくこれだけ生きていると、時代の変化にだんだんついていけなくなるんですよ
店を覗くたびに新しい文化が取り入れられているのを見ると
嬉しいよな
どこか寂しいような複雑な気持ちになりますね
とはいえ、世の中が便利になっていくのはありがたいことです
鏡以外にも何か欲しいと思うものがあれば遠慮なく言ってください
アンパン
俺はいつも霧のすけが食べているものですね
実は私も食べてみたかったのですよ
そうか!あの店に売っていたんですねまだ売り切れていないといいのですが
【快步跑去】
【被撞到】
転んでしまうところでしたね
助けてくださってありがとうございます
そうですね~確かに危なかったかもしれませんが
そんなに怒らなくても良いではありませんか
はーい次からは気をつけますご心配をおかけしてすみませんでした
ご心配をおかけしてすみませんでした
また叱られてしまいましたね
野菜を選んだ時以来です
本当にあなたといると新鮮な気持ちになれます
実を言えば私は自分が不死の身だからと自らの命を軽く見る癖があるのです
そのせいで普通よりも注意力が散漫になってしまう
注意してくださってありがとうございました
どうしてそんな顔をするんですか
先程の私は叱られて当然のことをしたのですから
あなたがしょげる必要などとこにもないでしょう
まだそんな顔して
そうだ、私とは手を繋いでいてはくれませんか
そうすればもう何があろうと下手な行動に出ることはありません
それにこうしていたほうが私が万が一の時にあなたをお守りしやすい
さあ~手を取って
では~行きましょううか
【走路】
あなたの手は暖かいですね
叱られておいて言うのもなんですが
こうして手を繋げるきっかけになったのですから
自分がヘマをしたことすら稀ながらあっぱれと思ってしまいます
なんてこんなことを言っていたらまたあなたに叱られてしまいそうですね
ほら、あのお店が鏡を売っていそうですよ
【走路】
鏡と書かれていますがそのようには見えませんね
なるほど鏡に蓋が付いているんですね
中に小さなクシも入っているそうですよ
この鮮やかな桃色があなたにお似合いそうです
いかがですか
どうですか?
あっ!いえいえ!こちらに見せなくて結構です!
あなたが気に入ったのならそれで良いのですから
お気に召したようですね
では、それをいただくことにしましょう
さあ早く蓋を閉めて
あちらでお勘定を済ませてきますので少しここで待っていてくださいね
買ってきましたよ
どうぞ受け取ってください
いいんですよ!このくらいの礼はさせてください
あなたがそばにいてくれるだけで私の心は羽のように軽くなるのですから
もぅ~あなたなしの生活など考えられません
もう一度手を繋いで
こうしていると暖かいですしね
そうそう!最近また放火事件が発生したそうです
隣街の教会なんですが、今回は未遂ではなく全焼してしまったんだとか
向こうに伸びる道の先に教会があるとお話しましたね
おそらくそらの教会も狙われているんでしょ
今一度言いますが、くれぐれも近づかないようにしてください
この約束は必ず守ってくださいね
冷えてきましたね
おそらく今夜はまた雪となるでしょう~
あなたが風邪をひいてしまわないよ早く館に戻りましょうか
あの…今夜また私の部屋に来ていただけますか
こうして手を繋いでいたら
あなたのことが愛おしくなってきてしまいました
ありがとうございます
では、心待ちにしていますね