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幼い日の記憶歌词

幼い日の記憶
子供の頃から、兄は学力優秀でスポーツ万能、性格が温厚で、誰からも好かれ、親にも将来を期待された。
まさに、非の打ち所のない人間のように思われていた。
それに比べ僕は、典型的な駄目な人間だった。
勉強を嫌いで、学校にも碌に行かず、部屋に引きこもることが多い子供だった。
それは、大人になった今も変っていないことに気づかされたのが、今回の事件だった。
幼い頃は仲のいい兄弟だった。
5つ年上の兄は、とても優しく、そして、本当に僕を可愛がってくれた。
幼稚園から小学校にかけては、いつも兄がそばにいて、遊んでくれた記憶がある。
放課後は、日が暮れるまで、学校のグランドや近くの公園で遊んだ。
ブランクを押してくれる兄、
滑り台の上で躊躇する僕に、下から「さ、おいて!」と、両手を広げて、見守ってくれる兄、
鉄棒で下が上がりのできない僕に、一生懸命教えてくれる兄。
日曜日には必ずと言っていい出かけだ。
大概は、探検と称する遠出か、近くの沼でザリガニを釣って遊んだ。
2人で、映画も見に行った。
特に、怪獣物が、僕はお気に入りだった。
兄が、他に見たい映画があっても、何を見るかはいつも僕の好きにさせてくれた。
そして、遊び疲れて帰る僕たちを、いつも、笑顔の母が迎えてくれた。
いつだったか、兄と2人で草むらを歩いていると、いきなり、5、6匹な野犬に囲まれてしまったことがある。
僕が小学校に入学したばかりで、兄が六年生のときだったと思う。
犬がすごい唸り声を上げて、まるで、狂犬のようだった。
思わず、兄の背中にしがみついて、泣き出しそうになったら、兄が後ろ手に、僕を抱きしめていた。
「兄ちゃん、怖いよ」と叫んだら、兄は「声を出さないて」と、小さく、強い口調で言った。
兄は左手で、僕の手を強く握り、背中に庇いながらゆっくりと歩き出した。
兄は右手で、拳を握り、野犬の攻撃に備えた。
その手は、僅かに震えていたように思う。
兄は野犬と目に合わさないように、前方をきっと睨んだまま、ゆっくりと、時間をかけて前進した。
その僕たちに向かって、野犬が吠えかける。
僕は、兄の手をきゅっと握り、背中に貼り付けるようにして、歩調を合わせた。
まるで、石にでもなったからような感覚で、ゆっくり、前に向かって移動していく。
それは、気が遠くなるほど長い時間で、僕は何度も気を失いかけた。
そのたびに、兄が強く僕の手を握り、僕は、我に帰った。
「とにかく相手を刺激しない」それが、兄のとっさの判断だったように思う。
そしてその作戦が見事に成功し、野犬は、僕たちを追っては来なかった。
それでも、野犬の姿が見えなくなるまで、僕たちはゆっくり移動した。
だいぶきたところで、もう大丈夫だと判断した兄が、「ふー」と言って、草むらに倒れ込むように寝初めった。
僕も一気に緊張が解け、兄に覆いかぶさって、「兄ちゃん、兄ちゃん」と声を上げて泣きじゃくった。
そんな僕を、兄は抱きしめながら、「もう大丈夫だ、本当に怖かったな」と言って、今度は、声に出して笑った。
僕を安心させたがっただろう。
兄は僕の頭を撫でながら、ずっと笑っていた。
この時は、そんな兄が大好きだった。

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