もしもおそ松がTVプロデューサーだったら ~TVプロデューサー:おそ松/新人:チョロ松~歌词
おそ松さん~六子のお仕事体験。ドラマズCDシリーズ。
第三巻~おそ松とチョロ松~テレビプロデューサー
もしもおそ松がTVプロデューサーだったら
新人アイドル(チョロ松):えっと…どこだろう。キョロキョロ。チョロチョロ。テレビ局って、広いなー。迷路みたいだ。何でこんなに入り組んでいるんだろう。テロリストに簡単に占拠されたりしないようにって話、本当かなー。
あっそれはさて置き。おそ松プロデューサーがいる会議室は、ここかなー。あっ!ここだここだ!(深呼吸)よし!
プロデューサー(おそ松):はい!どうぞ!
新人アイドル(チョロ松):失礼しますー。あの、おそ松プロデューサーですか。
プロデューサー(おそ松):はい、そうだけど。何?
新人アイドル(チョロ松):あっ、ぼ、僕チョロ松といいます。フラグプロダクションの新人アイドルでーす!今度おそ松プロデューサーのドッキリ番組に出していだだけることになったので、挨拶に来ました!
プロデューサー(おそ松):んああ、聞いてるよ、チョロ松君。君ビール瓶大丈夫?
新人アイドル(チョロ松):ビール瓶?
プロデューサー(おそ松):ドッキリでさ、ビール瓶で頭を殴られるってシチュエーション。
新人アイドル(チョロ松):確かドッキリのビール瓶って、*蝋細工の悪いやつで*、痛くないやつですよね。大丈夫です!
プロデューサー(おそ松):本物のビール瓶って、何回殴って大丈夫?
新人アイドル(チョロ松):一回だって無理です!
プロデューサー(おそ松):そうなの?じゃダイナマイトは大丈夫?
新人アイドル(チョロ松):ダイナマイト?
プロデューサー(おそ松):ドッキリでさ、頭の上でドカン!っていうのを考えてるんだけど。
新人アイドル(チョロ松):確かドッキリのダイナマイトとって、音だけで実際には威力は大したことないですよね。なら、大丈夫です。
プロデューサー(おそ松):本物のダイナマイト何本まで大丈夫?百本ぐらい行ける?
新人アイドル(チョロ松):一本でも無理ですよ!死にますよ!
プロデューサー(おそ松):死ぬかな。
新人アイドル(チョロ松):死にますよ!
プロデューサー(おそ松):そうかな。やってみないとわからなくない?
新人アイドル(チョロ松):やらなくても分かります!
プロデューサー(おそ松):そっか。じゃダイナマイトは置いといて、ガソリンどれぐらい飲める?
新人アイドル(チョロ松):そうですね。三リットル…って、飲みませんよ!
プロデューサー(おそ松):ケチっ!
新人アイドル(チョロ松):ケチとかそういう問題じゃありません!
プロデューサー(おそ松):あのね、チョロ松君。テレビや視聴率は*とって難波*なの。
新人アイドル(チョロ松):は…?
プロデューサー(おそ松):ガソリン飲んで、体の穴という穴から炎を噴き出させるくらいやらないと、視聴者も満足しないの。そんな事態なの。
新人アイドル(チョロ松):とんでもない事態ですね。
プロデューサー(おそ松):こんな事態に誰がした!一億総白痴!
新人アイドル(チョロ松):テレビのせいじゃないですか。
プロデューサー(おそ松):チッ。ダイナマイトもダメ、ガソリンもダメ、だったらなんならいいんだ!剣山か!熱湯か!
新人アイドル(チョロ松):僕…アイドルになって失敗したかな。芸能界って..
プロデューサー(おそ松):じゃ、寝起きドッキリかな。
新人アイドル(チョロ松):いきなり普通になりましたね。
プロデューサー(おそ松):君が寝てるところにカメラが入っていくから。起きて驚いてね。
新人アイドル(チョロ松):僕、男ですが。いいんでしょうか。
プロデューサー(おそ松):いいよいいよ。適当に浴衣の裾肌蹴させてさ。太ももぐらい見せとこうか。サービスサービス。
新人アイドル(チョロ松):僕の太ももで、喜ばれるんですか。
プロデューサー(おそ松):視聴率鰻登りだよ~
新人アイドル(チョロ松):そ、そうですか。なら…
プロデューサー(おそ松):太もも見せて、ケツにダイナマイト突っ込んで…ダン!そして慌てて飛び起きるチョロ松君!寝起きドッキリ大成功!って大笑い!完璧!
新人アイドル(チョロ松):大成功..じゃないですよ!死んじゃいますって!
プロデューサー(おそ松):チッ!なんだよ、文句ばっかだな。
新人アイドル(チョロ松):文句言いますって!
プロデューサー(おそ松):新人のくせに生意気だぞ~んああ、わかったわかった。ドッキリはなし。
新人アイドル(チョロ松):なし?
プロデューサー(おそ松):企画変更。フリートークにしよう。
新人アイドル(チョロ松):フリートーク。
プロデューサー(おそ松):じゃ、台本書くかな。
新人アイドル(チョロ松):フリートークじゃないじゃん。
プロデューサー(おそ松):うむんん。なかなか尺が埋まらないな。何を喋らせようかな。
新人アイドル(チョロ松):おそ松プロデューサーが台本書くんですか。
プロデューサー(おそ松):ディレクターも構成作家も忙しくてね。それにさ、俺が書いたらその分原稿料浮くじゃん?それが有能プロデューサーってもんよ。
プロデューサー(おそ松):でも、尺埋まらないなー。あまり台本書くのが得意じゃないだよね。よし!あの手で行くか。(X4)新人アイドル(チョロ松):あの手?(X3)
新人アイドル(チョロ松):あれ、今、なんか同じ会話繰り返しませんでした?
プロデューサー(おそ松):んああ、そうそう。コピペしたから。(X3)新人アイドル(チョロ松):コピペ?(X3)プロデューサー(おそ松):そう。コピーアンドペースト。簡単に尺を埋められるだろう。俺って頭いいー!(X3)新人アイドル(チョロ松):そんなんでいいですか?!(X2)
新人アイドル(チョロ松):って、また!
プロデューサー(おそ松):ほら、また尺が埋まった。簡単簡単。
新人アイドル(チョロ松):ダメですよ!ちゃんと書かないと、手抜きだって言われますよ!
プロデューサー(おそ松):演出だよ。エンシュツ。
新人アイドル(チョロ松):演出って、視聴者呆れちゃいますよ。
プロデューサー(おそ松):大丈夫大丈夫。
プロデューサー(おそ松):コピペーして尺埋めておけばいいの。(X4)新人アイドル(チョロ松):いやいやいや!(X3)
新人アイドル(チョロ松):また!
プロデューサー(おそ松):ほらー、時が流れていくだろう?
新人アイドル(チョロ松):ダメですーって。コピー禁止。ちゃんとやりましょうよ。一分一秒を大切にして、一言、ワンワード、練りに練って、魂をこもった番組を作りましょうよ!
プロデューサー(おそ松):ふう、へええ。チョロ松君って言った?
新人アイドル(チョロ松):チョロ松です!
プロデューサー(おそ松):新人だって言ってたね。新人だからテレビ業界のこと何も分かっていないんだよ。あのさ、そんなに真剣に作ったって、視聴者は見てくれないの。ながら見してさ。
録画しては早送りして見て、ネットに*ほ*アップされたのをちょこちょこと見て、SNSで感想読んで、それで見た気になって、偉そうにあれこれ批評したりすんの。
新人アイドル(チョロ松):急に..シリアスになりましたね。
プロデューサー(おそ松):何の努力もせずに与えられたものに対して文句を言うばっかりだよ。テレビは本来娯楽だった。その娯楽の幅を阻めて、団栗の背比べ。代わり映えの品や当たり障りのない内容ばかり。
毒にも薬にもならぬドラマ、批判精神の欠片もないニュース番組のコメンテーター。通勤電車の中でネットの記事だけを読んで、世界の全てを知った気になっている者たち。そうだ。確かに世界は便利になった。地球の裏側のニュースだって、一瞬で手の平の中に入ってくる。
だがどうだ?それで俺たちは幸せになったか?情報は増えた。俺たちは豊かになったか。心は満たされているか。どれだけ働けば許されるというのか。本来人間は食べるだけで精一杯だった。一日中食料を求めて、命をかけて獣を追い…
新人アイドル(チョロ松):あの…その話、長くなりますか。
プロデューサー(おそ松):遅い!
新人アイドル(チョロ松):えっ?
プロデューサー(おそ松):早く止めてくれるのを今か今かと待っていた。なんかさ、普段の言ったことのない言葉を口にしたら、批判精神とか、毒にも薬にもならぬとか、口がよく回らないさ。噛みそうなったよ。自分でも何言ってるのかさっぱりわかんないし。
早く止めてくれなくちゃ困るよ。そんなんでツッコミが務まるの!
新人アイドル(チョロ松):ツッコミって?
プロデューサー(おそ松):あつはなついね。
新人アイドル(チョロ松):…は。
プロデューサー(おそ松):(パン!)つっこめよ!それは、夏は暑いね、だろうって。ボケたら素早くつっこむ、それがツッコミの仕事だ。
新人アイドル(チョロ松):僕、ツッコミでは…
プロデューサー(おそ松):じゃ何ができるの。ツッコミもできない。道具もできない。台本も書けない…
新人アイドル(チョロ松):台本書いてたのはおそ松プロデューサーですが。
プロデューサー(おそ松):文句ばかり言うー。
新人アイドル(チョロ松):言われても仕方がないと思いませんか。
プロデューサー(おそ松):やっぱり…ダイナマイトかな。
新人アイドル(チョロ松):やりませんよ!
プロデューサー(おそ松):五本ならいいよね。
新人アイドル(チョロ松):何本だってやりませんって!
プロデューサー(おそ松):うむむん。ね、何ができるって?得意なことは?
新人アイドル(チョロ松):そうですね…あっ。アイドルについては詳しいです。趣味や特技、それに、あ、アイドルの誕生日、全部覚えています。
プロデューサー(おそ松):そういうのはさ、ビーとプーとポーに任せばいいんだって。
新人アイドル(チョロ松):誰ですか。
プロデューサー(おそ松):大人の都合さ。んんでね、もっと独自のね、売りはないの?チョロ松君のね、アイドルとしての売り。
新人アイドル(チョロ松):売り。売り。う…僕は…僕は…
プロデューサー(おそ松):僕は?
新人アイドル(チョロ松):僕は…うむんん…僕は一体何が売りなんだろう。何ができるんだろう。僕は普通だ。そもそもなんでアイドルになったんだろう。こんなに普通な男なのに…
普通だ。どうして僕はこの世に存在するんだろう。僕はどうして生まれてきたんだろう。僕は…誰なんだ?僕は…あっ。僕は…
プロデューサー(おそ松):おおおいー。
新人アイドル(チョロ松):はっ!わかった!僕が存在するわけが。
プロデューサー(おそ松):どうしたの?大丈夫?
新人アイドル(チョロ松):わかったんです!おそ松プロデューサー。僕はどうしてこの世界に生まれてきたのかが。
プロデューサー(おそ松):なんでそんな話になてんの。
新人アイドル(チョロ松):僕は、僕を肯定するために生まれてきたんだ。
プロデューサー(おそ松):は?
新人アイドル(チョロ松):ありのままでいい。誰もが、生まれてきて、この世界に。それだけでいいんだ。売りとか特技とか考えなくてもいい。必要ない。存在するだけでいいんだ。そう!世界中の人々よ、僕の声を聞くんだ!
大丈夫だよ、もう、悩まなくてもいいんだよ。みんなが生まれた、それだけで十分なんだよ。おめでとう!そして、ありがとう!ああっ!世界に、人々に祝福あれ!ほら、世界は、こんなにも光が輝いている!
プロデューサー(おそ松):っで、何ができるって?
新人アイドル(チョロ松):はい!なーにもできません!
プロデューサー(おそ松):帰って。(X6)新人アイドル(チョロ松):はい!(X6)
終わり