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ここを過ぎて悲しみの街歌词

私というこの存在は或いは一つの逆説です
白熱電球の淡い発作 六畳一間の亡霊です
清冽なまでの人の群れ 空蝉うつせみを踏む不快な音
二束三文の世界律を彫りつけたような街の色
私の言葉の限界が私の世界の限界です
言葉は無感動の羅列 謂わば虚むなしさの警鐘
野ざらしにされた夢の路線 来し方行く末錆び付いて
淘汰され浮かび上がる体系 消えてしまえればいいなんて
宵の口 夜気を漕ぎ 風を結い 泳ぐ空
堕ちていく 墜ちていく 儚くも美しく
止め処もなく 意味もなく 絶え間なく続く詩
畔あぜの花 酸すえた過去 悲しみすら追い越して
嗚呼 くだらないその幸福に引きずられて生きて
その後にどれほどのものが残るというのでしょう
身を裂くような苦悩とともにその日まで歩き続けようか
その後に自分の言葉が生きてくれるのなら
永久の街をしとどに濡らす赫い流星雨       
割れた硝子細工の空 さよならの音をたてた
私というこの現象は一個の無価値の反証です
形而上的パノラマ空想 六畳一間の幻です    
檻の向こうで嗤う群衆 それは内側か?外側か?
瞬間の悪を映す鏡面 白昼に枯れた花の青
神様仏様如何様 確率論ただ絡まって
暗示され崩れ落ちる系譜 どうせ他人事と独り言
書物の中の無垢な憧憬 言葉が生み出す永遠性
ぽつねんと街にいつも独り この空漠を埋めておくれ
宵の中 時を喰み 星を呑む 琥珀の灯
溶けていく 溶けていく あまりにも美しく
寄る辺もなく淀みもなく 果てしなく響く詩
一本の樹の下で救いの手を待ちわびた
嗚呼 同じような幸福の中に身を委ね
安寧を(むさぼ)っては生きて何を成し得るのでしょう 
凍えるような孤独とともにその日まで歌って歩こう
その声が誰かの心を温めるのならば
悲しみを乗り越えた数だけ人は強くなれるんだなんて   
そんな言葉は間違いだろう
悲しいことには慣れてるからなんて笑顔で言えてしまうだなんて
それが一番かなしいだろう
嗚呼 くだらないその幸福に引きずられて生きて
その後にどれほどのものが残るというのでしょう
身を裂くような苦悩とともにその日まで歩き続けようか
その後に自分の言葉が生きてくれるのなら
嗚呼 莫迦げたことだと笑いとばしてしまえたなら
どれほどにどれほどに楽に生きられたのでしょうか
それでもいつか自分の軌跡が誰かの標となるように
曖昧に曖昧に今を歌っていたいのです
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