百禽歌词
命(みこと) 吾神
暁(あかとき)闇に鳴きし響(とよ)めれば
降(くだ)ちぬ雲は四方(よも)の国へ
長き命の惜しけくもなしに
長きこの夜を廻(たもとほ)り
暴風(よこしまかぜ)に天(あま)飛ぶや風雲(かぜくも)は
畏(け)しきこの夜は
古昔(いにしへ)と別れし時よ
雨は降れど鳥は吟(うた)ひ
風は吹けど花は咲く
清き
霞流るる天(あめ)へ行かば
畏(かしこ)きを眺(み)ゆ
雷神(なるかみ)光動(とよ)みて天伝(あまつた)ひ来る
百鳥(ももとり)は生ける世に
悲別(わかれ)の散り飛ぶを見つつ
荒墟(あれたる)悲傷(かな)しみ
逆風(あらきかぜ)吹く
この世の中を憂(う)しと思ひて
天降(あも)り座(いま)し
神に仰(あふ)ぎ
祈(こ)ひ祷(の)む
天(あま)照る月雲は流れ
鎮めたまふ御心
翻(と)び翔(かけ)る百鳥(ももとり)の
鳴き響(とよ)むる感悦(よろこ)び
絶ゆることなく
黄泉(よみ)の境に誘(いざな)ひ賜ひて
この夜は明け
千万(ちよろづ)神の懽(よろこ)びの御歌(みうた)
響む