エピローグミニドラマ「明日と加瀬さん。」 よかった、加瀬さんの隣に席が空いてって 修学旅行の時は一緒に座れなかったから。こういうの初めてだね うん 山田、先の入場券ってまだ持てる? うん、あるよ。はい それ、私にくれないかな。いい?もらうよ でも... こんなにくしゃくしゃになるまで握りしめて、よっぽど必死で走ってきたんだね ありがとう、山田。山田が飛び込んできたあの時、分かったんだ。私も、山田がいないとダメなんだって 加瀬さん... だから、これは御守りにする。推薦と言っても一応受験だからね そうだ。加瀬さん、これから東京で入学試験受けるんだよね うん まさかこのまま私が東京に行っちゃうとでも思った? うん 大丈夫、推薦校決まっても学校はいくし、部活もやれるだけ続けるつもり、これまでと変われないよ うん それで、山田はどうするの?東京の大学、行くんでしょう?志望校、決めたの? うん、実はずっといいなっと思ってた女子大があって 女子大か?うん、それはいい。安全だ 安全? あ、いやいや。って、学科は? 園芸科に じゃ、ガーデンナーになるって夢 うん、追いかけてみよかなって すごいじゃん山田 でも、そう決心できたのは加瀬さんのおかけなんだよ。毎朝、走る加瀬さんを見てたから 私を? うん、加瀬さんは雨の日も、風の日も、どんな暑い日だって、一日も休まず走ってた。だからね、思ったの、私も私の好きを頑張らなきゃって。本当に大好きなものがあるなら、一生懸命走って走って、追いかけなきゃダメなんだって 山田… でも、本当に頑張らないと今の成績じゃちょっと厳しいかもだけと 山田、ありがとう。だって、山田は一生懸命走って私を追いかけてきてくれた。やばりこの入場券は御守りにするよ。うん、自信出てきた。きっと受かる 本当はちょっと不安だったんだ。でももう大丈夫。山田がいてくれるから 加瀬さん…受かるよ、加瀬さんなら絶対大丈夫 山田、もう寝ちゃった。それだけ一生懸命走ってきたってことだよね 加瀬さん、私受かったよ 分かりやすい夢見てるな 一緒に…東京 気持ちよさそう。私も少し寝ようかな ね、山田、私ね、初めてなんだ。こんな風に人好きになるの こうして肩を寄せ合うだけでドキドキして、それなのにすごく安らかで、暖かい気持ちになる だからね、ずっと、明日からも、ずっと一緒にいよう。二人でたくさん初めてをしよう 大好きだよ、山田