[00:00.000] 作词 : Tomomi Shiiki [00:00.509] 作曲 : Tomomi Shiiki [00:01.18]朝顔が咲いていた。 [00:03.30]横に空の如雨露が転がっていて、 [00:05.98]いつか夏休みが終わってしまうことをみんなが知っていた。 [00:10.30]ラジオ体操の判子が疎らだからって [00:13.34]怒られるわけじゃないし、 [00:15.17]まだ宿題はほとんど残っているけれど、 [00:17.93]大丈夫、きっとまだ大丈夫。 [00:20.98]気が付くと僕は鼻血を出して、 [00:22.62]ネット横、木の下で横になっていた。 [00:24.95]鼻に詰めたティッシュに汗と血が滲んでいた、 [00:27.38]凍ったアクエリアスが全身に染みていくのがわかった。 [00:30.18]金属バットにボールが当たる、上がる [00:32.42]砂埃が目に染みる、 [00:33.97]蝉にも負けずに叫び続けた [00:35.60]「ばっちこい、ばっちこい」 [00:36.71]何を待ってる? [00:37.98]本当は何を待っている? [00:39.56]練習を終えると僕は歩いて帰った。 [00:41.75]道路沿い、六階、親が置いて行った飯代。 [00:44.31]銀色の鉄柱、二階の学習塾。 [00:46.32]キラやレアを待つ、 [00:47.65]商店街のカードダス。 [00:49.01]静かに霊柩車が横切る度に、 [00:50.79]山内が言っていたあの話を思い出した。 [00:53.42]「お母さんやお父さんを連れて行かれないように [00:56.15]こうやって親指を隠すんだよ。」って。 [00:58.15]日が暮れて鐘が鳴る [01:00.31]ただそれの繰り返しを [01:02.78]日が暮れて鐘が鳴る [01:04.95]ただそれの繰り返しを [01:07.55]冷房の効いた部屋でゲームをしている。 [01:09.82]氷の溶けたグラスに水滴が付いている。 [01:12.32]画面の中の主人公が隠れて [01:14.16]敵が来るのを待っている。 [01:16.66]ポテトチップスを摘んだ手で触ったコントローラを [01:19.57]濡れたティッシュで拭き取って、 [01:21.37]セーブして、ぬるい麦茶を一気に流し込んで喉を潤した。 [01:26.38]新井とは一度喧嘩したけどいつのまにか仲直りした。 [01:29.00]栗原がピッチャーで優太郎がキャッチャー。 [01:31.09]寺倉はサイドスロー、 [01:32.22]健太は肩が良かった。 [01:33.42]田口は背が高くて、菊は足が速かった。 [01:35.66]石井と菌と呼ばれていると、 [01:37.23]みんなでそれに乗っかった。 [01:38.32]杉本は双子、金持ちの近野、関谷ん家の小さな犬、 [01:41.70]一度も話したことなかったけど浅野のことが好きだった。 [01:45.02]マンションを出ると都会特有の熱気で [01:47.50]公園にいくともう自転車が集まっていた。 [01:49.66]いつか貰ったお年玉の残りを話して、 [01:51.74]爪楊枝を赤く塗って駄菓子屋のおばちゃんを騙した。 [01:54.54]誰かが鬼になって誰かを追いかける。 [01:56.55]誰かが捕まって誰かが鬼になる。 [01:59.00]敵になっては味方になる、 [02:00.41]僕は主人公じゃなかった。 [02:03.74]日が暮れて鐘が鳴る [02:06.00]ただそれの繰り返しを [02:08.47]気が知れて友になる [02:10.66]ただそれの繰り返しを [02:13.00]足りなくて足し続ける [02:15.41]ただそれの繰り返しを [02:17.80]朝が来て母が呼ぶ [02:20.04]ただそれの繰り返しを [02:22.61]共働きの両親が連れて行ってくれた遊園地、 [02:27.43]ベンチでソフトクリーム、 [02:29.66]虹色に見えた。 [02:32.35]観覧車、ゴーカート、お化け屋敷、 [02:35.94]ジェットコースター、海賊船、 [02:38.39]その中から僕はなぜか [02:42.27]メリーゴーランドを選んで、 [02:44.29]馬に跨って、 [02:46.83]ふと気がついた。 [02:49.32]僕はずっと同じところを回っている [03:02.89]そしていつか終わりが必ずやってくる [03:07.94]時計は回ってまた同じ数字に戻る [03:12.67]遊び終わってまた必ず家に帰る [03:17.34]一月の内にまたこんなに髪が伸びてる [03:21.80]終わったはずの夏がまた訪れる [03:26.72]もう二度と九月なんて来ないように [03:31.63]永遠の夏休み [03:33.66]終わらないこの八月に [03:36.14]日差しは弱くなり [03:38.21]コンクリートは冷えた [03:40.76]でもまだみんなの声が聞こえる [03:51.30]大丈夫、きっとまだ大丈夫。 [03:54.29]