[00:13.36]遠く聞こえるお囃子の [00:16.47]音色響けば花開く [00:19.58]心の奥に置いてきた [00:22.81]淡い記憶 今よみがえる [00:29.47] [00:42.37]雨上がり 茜空 [00:45.40]菖蒲浴衣 帯をきゅっと(しめて) [00:48.59]片手の鏡覗いて [00:51.69]履き慣れない下駄鳴らし [00:54.84]この日のために買った [00:57.66]鬼灯のかんざし(さして) [01:00.68]君の後ろ歩く [01:02.97] [01:03.38](風に)やわらかくなびく髪 [01:06.16](君は)こっち見て微笑んだ [01:09.31](わたし)頬赤く色づいて [01:14.33] [01:15.31]君を近くで見ていたい [01:18.37]そう思っていたはずなのに [01:21.53]いつもと違う優しさに [01:24.75]戸惑って目を逸らした [01:27.20] [01:27.65]わざと顔覗く君には [01:30.75]どうしたって敵わないよ [01:33.86]足元さえも定まらず [01:37.53]いつまで顔を照らすの [01:42.72]懐色坂 [01:44.16] [01:47.42]雨ふり 灰色空 [01:50.45]会えないたびに指を [01:53.35]何気なく動かし折った [01:56.65]不器用な鶴はわたし [01:59.75]数が増えるばかりで [02:02.66]飛び立てないまま [02:05.77]夏が終わるなんて [02:08.06] [02:08.31](ふいに)揺れる袖掴まえて [02:11.16](そっと)人混みにごまかした [02:14.34](お願い)気づいて、気づかないで [02:19.29] [02:20.27]君を幾度も追いかけた [02:23.37]けれど今では傍らに [02:26.53]いつもと違う距離感に [02:29.77]息吸うのも忘れて [02:32.55] [02:32.72]"恋"とは誰が名付けたか [02:35.79]まるで不治の病のように [02:38.87]この身も心も溶かして [02:42.61]あぁ、もう日が暮れてゆく [02:47.56] [02:47.76]懐色の面影は淡い夢のまま [02:57.78] [03:01.57]「しのぶれど」口にして [03:04.59]はっとして君を見た [03:07.62]二人頬色づいて [03:11.99] [03:13.13]君の凛とした横顔を [03:16.03]屋台の灯がほのり照らす [03:19.13]いつもと違うまなざしに [03:22.37]高鳴る鼓動痛いよ [03:25.26] [03:25.39]細くふるえた告白と [03:28.45]声をかきけす花火の音 [03:31.52]泣きそうな顔お面で隠し [03:35.20]いつかは、と強く願った [03:39.65] [03:40.26]懐色坂 [03:42.22]END