[00:23.443]君は僕の眼の前に突然現れ微笑んだ [00:27.691]僕の手をぐいと引っ張って [00:29.945]どこかへ向かって走り出した [00:32.196]悪い気分じゃなかった [00:34.193]疑うこともしなかった [00:36.447]きっと恋でもしていたのでしょう [00:40.441]過去の栄光はまばゆく光り [00:44.692]未来の可能性の芽を踏み潰す [00:49.381]僕はそれが怖くなって [00:53.560]いつからか君との距離を置いた [00:58.065]ありがとう そして さよならは [01:02.257]君が呟く惜別の言葉じゃない [01:06.766]臆病者の僕の君宛ての別れ [01:10.768]君はどうかそのままでいてほしいんだ」 [01:15.764]手紙の文字は他人行儀そしてドライで [01:17.761]感傷も感慨も当然ように湧かず [01:20.011]ドラマなんて期待しない [01:21.009]羽のように軽い記憶 [01:22.008]当たり前に一緒にいて [01:23.018]当たり前にすれ違った [01:41.267]「輝く出口を作るんだ [01:43.510]大人たちはそう言い出した [01:45.519]未完成のままで放置された [01:47.761]架けた橋はやがて腐りだした [01:50.011]高く築き上げたものを [01:52.009]守ることだけ考えて [01:54.263]出口は扉堅く閉ざす [01:58.510]もう音楽は十分揃い [02:02.458]新しいものはいらないと叫ぶ [02:06.962]ベタな三文小説(ものがたり)を捨てた [02:11.456]冷たくて現実的な終点(おわり) [02:15.891]ありがとう そして ごめんねは [02:19.896]君が呟く後悔の言葉じゃない [02:24.401]嘘つきの僕の乾いた懺悔 [02:28.649]君はどうかそのままでいてほしいんだ」 [02:50.650]「終わらないお祭り声は遠く [02:54.644]感動はやがて薄れゆく [02:59.149]お面を深く被るお囃子に [03:03.400]有体に言えば――」 [03:05.895]「<<手紙が破れていて読めなかった>>のです」 [03:07.832]「ありがとう そして さよならは [03:12.020]君が呟く惜別の言葉じゃない [03:16.472]臆病者の僕の君宛ての別れ [03:20.477]君はどうかそのままでいてほしいんだ」 [03:37.720]「――幸せを願っています 敬具」 [03:41.226]また会う日まで……