春想い 涙も桜も枯れる頃には、 あなたを忘れるかな。 春一番の桜が柔く摇れる。 私の心みたいだつて、思つたりして。 「いつそ言つて しまえば」と 「樂たなる」 と でも、 困らせるくらいなら、後悔の方が良い。 壞さないよぅに、悟られあよぅに。 何でもないフり。時間はないのにね。 友逹のままでいい。私はまだ、 あなたの見える場所で咲きたい。 涙も桜も枯れる頃には、 あなたはこの街にはいないんだよ。 あなたの言葉や笑った声を あと何回聞けるのだろう。 あぁ、嫌だな 離れたく、ないな。 いっそ突き放してくれたら。 好きな人の、好きな人。 よく知つてる。 自分で聞けたわけじゃない。 悔しいけど。 近づいたとて意味がないから、 自分から引こうだなんて。 無駄な努力かどうか、 私じゃわかんないのに。 壞さないよぅに、悟られあよぅに。 無理をしてでも、あなたの隣。 わかつてる。こんなこと、やめるべきね。 でも、ここに居よぅとした私きで 否定しないで 涙も桜も枯れる頃には、 花の代わりに、後悔が積もる。 ふよした横颜。振り向く仕草。 何一つ、消えおいんだよ。 あぁ、今頃何してるかお。 そっか、声すら聴けないのか。 この春最後の桜吹雪を。 别れを彩る桜吹雪を。 君を想ぅ。或る春の日に。 最後に見た桜の下。