Mr. Alice それはそれは ひどく変わった男のお話で いつも楽しくララララ!妄想ばかりして 歪なる文字の羅列とある若い小説家、 妙な奴だと疎まれ―――今日も孤独 おいでおいで、インクまみれの右手で手招いて 「かわいいアリス、さあさあぼくのお膝の上」 黄金色の昼下がり、僕達の隠れ家で 今日もいつものステキな御話を 私はアリス、私はアリス 時計ウサギを追いかけ 不思議の国まで 小さな扉の小さな鍵を回す ぐるぐる回るドードー鳥と 煙をふかしたイモムシと くしゃみが止まらない公爵夫人と さあ、獲物はどちらへ? 不思議の国、不思議な人達の国 何故だか誰もウサギを追いかけない! 奇妙至極な話 見上げる君が続きを急かす アリスの足跡綴っていく ニヤニヤ笑うチェシャ猫が浮かんでる、そして言う 「白ウサギにゃら知ってるようにゃ知らないようにゃ?」 次の日の六時にはあのいかれたお茶会へ ミルクを入れて美味しく頂くわ 響いてくる行進は、赤/黒/赤/赤/黒の トランプ達の先には、我らが女王様! 「首をおはね今すぐに!」繰り返して狂い気味 けれど変ね?首は落ちてないわ 私はアリス、私がアリス 時計ウサギを追いかけ 不思議の国まで 首にかけられたラベル 『私をお食べ』 居眠りばかりするグリフィンと 海がめもどきのスープなど ハートのジャックの最期の証言は 「どうでもいい」にゃんてね 不思議の国、不思議な人達の国 何故だか誰もウサギを追いかけない 奇妙至極な話 見上げる君と視線を絡め 僕らの足跡綴っていく ここから先がいつも見えない 最後のページがめくれない かわいいアリス、こちらにおいで 教えておくれピリオドの続きを おまえはアリス、ああ「私はアリス」 そうだ全てはアリスの見た夢だ 夢が覚めればここに いつものように僕らは一人 狂ったように ページを次のページをページを巡る