[00:11.68]息の途絶えた枯れ尾花に(狐火鳴く鳴く咲いた花は) [00:15.20]灯して巡ろうか幽霊火(荒野照らして塵となる) [00:18.84]夜露に濡れた骸 あちらこちら(愛しい白玉の骸 彼方此方) [00:22.67]埋むための影は見えもせぬ(捨て置かれてさようなら!) [00:27.69] [00:28.21]囂然騒然引き連れ参ろう(拝鎖!拝鎖!かくも五月蝿き) [00:32.37]真冬の霊屋は雨も凌げぬが(騒ぐ鳴らすちんどん) [00:35.98]行きの道ならお連れしよう(行きの道ならお迎えが) [00:42.72] [00:43.29]手招き拱くお手手を握り(杭の音が一つ二つと) [00:47.06]頸骨五寸で繋ごうか(数え数え響きゃあ) [00:50.25]見返りも知らぬ愚図ども(やっと気付くは愚図ども) [00:53.94]貴方とお前と貴様と(さあさ参ろう貴様と) [00:57.66]「ハカマイリ」 [01:04.66] [01:10.52]風吹き荒ぶ塚に卒塔婆(麗しい眼精砕け解れ) [01:14.09]へし折れ刺さるは尸の眼(探しのたうつ手踊りに) [01:17.78]落ちて窪んだ骸 どちらこちら(拍手喝采する骸 何方此方) [01:21.60]探し彷徨う影はそこかしこに(忘れられてさようなら!) [01:26.48] [01:26.99]囂然騒然引き連れ参ろう(祭夜!賽よ!かくも五月蝿き) [01:31.16]真冬の霊屋にゃ坊主もおらぬが(唱う声は念仏) [01:34.44]帰る道ならお一人で(帰る道ならお一人で) [01:41.86] [01:42.32]入日の頃合 大禍時に(黄昏時お手手を引いて) [01:45.44]手招き手招き「おいでや」(誘い誘い「おいでや」) [01:49.06]当処も行方も知れずの(お一人様が知れずと) [01:52.71]貴方とお前と貴様と(騒ぐ事なし貴様と) [01:56.44]「ハカマイリ」 [02:02.51]お前様の御家系の墓場は [02:05.87]蛙のよく鳴く沼地に近く(かえるのよく啼く沼地に近く) [02:09.61]帰る帰る泣くしゃがれた声で(帰しゃあせんぞと怒凄声ひとつ) [02:13.29]下路 下路 下路 下路 戻ろうか?(下路 下路 下路 下路 参ろうか?) [02:16.52] [02:17.06]飴玉心玉に当該乞玉(目玉心玉頭蓋の玉と) [02:20.75]並べて端から喰らって見せようか(並べ比べ見せようか) [02:24.55]姿は違えど普く余無く(さてもさても麗しい姿) [02:27.99]おいでや おいでや こちらへ(数え 数え こちらへ) [02:31.69] [02:32.17]手招き拱くお手手を握り(杭の音が一つ二つと) [02:35.82]頸骨五寸で繋ごうか(数え数え響きゃあ) [02:39.45]杙を片手に参ろう(次は我らが参ろう) [02:42.73]貴方とお前と貴様を(引き落とそうぞ貴様を) [02:46.32]「ハカマイリ」 [02:54.13]かえるの無く頃袖を引くのは(かえるの無く頃袖を引くのは) [02:57.41] [03:12.22]さあ鬼哭啾啾の扉へ参ろう