[00:03.41] [00:12.07]「硝子の棺、眠る姫君。 [00:16.95]君は何故、この境界を超えてしまったのか? さぁ、唄ってごらん…」 [00:25.57] [00:26.95]真雪の肌は白く [00:32.30]黒檀の髪は黒く [00:38.73]血潮のように赤い唇 [00:44.79]冬に望まれ産まれた私 [00:50.92] [00:51.70]柔らかな温もり 過ぎ去りし春の匂い [01:03.32]甘く切ない痛み遺して 生母(はは)は遠くへ逝ってしまった [01:15.94] [01:16.64]「鏡よ鏡……此の世界で一番、美しいのは、誰なのかしら?」 [01:35.33]「其れは貴方――《王妃様(Die Koenigin)》!」 [01:39.48] [01:42.59]継母は冷たく 亡母(なきはは)の愛を憶いだし [01:54.23]独り抱きしめ虚像と踊る 月日を重ね娘に成った…… [02:06.48] [02:06.81]「鏡よ鏡……此の世界で一番、美しいのは、誰なのかしら?」 [02:25.76]「其れは貴方――《王妃様(Die Koenigin)》でしたが…… [02:29.88]今では彼女――《雪白姫(Schneewittchen)》!」 [02:34.34] [02:35.88]「おぉおぉおぉぉ…!ひ、姫ー!」 [02:40.53]「こっち来ないでー!イヤー!」 [02:41.67]「お待ちくだされ―!」 [02:42.63]「無理ー!!」 [02:45.22]「姫ー!!」 [02:46.24] [02:48.03]「狩人の爺やに 追いかけられ 森の奥へと逃げる……」 [02:54.52]「ワシだって本当は、こんなこと……したくなかったんじゃよ」 [03:01.56]「だったら、どうして?」 [03:03.75]「姫よ、お妃様にゃ逆らえぬ」 [03:07.94]「お願い、助けて!」 [03:10.02]「姫よ、殺すワシも辛いんじゃよ」 [03:14.12]「それなら、私もうお城(おうち)には、帰らないと約束するわ」 [03:20.53]「それなら、ワシにも策がある。猪殺して身代わりにしよう!」 [03:26.11] [03:26.38]「うんっ!」 [03:27.39]そして、私を待っていたのは……。 [03:29.44] [03:29.88]宵闇の迫る陰が 進む道を呑み込んゆく [03:36.30]迷い込んだ見知らぬ森の [03:39.75]小さな可愛いお家 —— [03:43.17] [03:52.02]「あぁー!おいらの寝床で誰か寝とるんげん!」 [03:55.20]「「マジで!?」」 「死んでがると?」 [03:57.88]「いや、まだ生きてるっひ!」 「皆、どうするんべるく?」 [04:02.55]「こういう場合は大抵王子様が接吻すればいいひぇん」 「「おおー!」」 [04:06.63]「で、誰かこの中に王子様はいるんしゅたいん?」 [04:10.75]「いや、この際”おじさま”でもいいんじゃね?」 [04:12.98]「「それだ!」」 「「んんー…」」 [04:14.80]「おはよう(Guten Morgen)!」 [04:15.94]「「おおー!?」」 [04:18.29] [04:18.45]「寝起きも超すっきりな美少女、私の目覚めを待っていたのは、 [04:21.53]可笑しな訛を持った七人の愉快な小人達で、 [04:24.98]その後、狡賢い継母の謀略により、幾度か死にかけたが、 [04:28.29]その都度、奇跡的に復活し続けたのであった!」 [04:31.22] [04:32.23]「もし」 [04:32.98] [04:33.32]「ごめんね、お婆さん。 どんな人も家へは、入れちゃいけないのよ……」 [04:43.90]「お留守番かい?偉いねぇ! [04:45.02]さぁ、真っ赤に熟れてる林檎(Apfel)。お前さんに1つあげよう、ほれ!」 [04:52.56]「ごめんね、お婆さん。いらない。 私何も、貰っちゃいけないのよ……」 [05:02.16]「あらまぁ、心配症だねぇ!そうとなりゃ、 [05:04.57]抱いてる疑惑(Zweigel)。 この婆と2つに分けよう!」 [05:10.62] [05:10.96]抗えない 誘ってる悪魔(Teufel) 7つ目の罪は蜜の味 [05:17.13] [05:17.54]「いっただっきまーす!うぅっ!」 [05:19.75]「くひひひっ…」 [05:20.39] [05:20.73]「鏡よ鏡……此の世界で一番、美しいのは、誰なのかしら?」 [05:33.63]「其れは貴方――《王妃様(Die Koenigin)》!」 [05:35.75] [05:39.74]「成程…其れで君は騙された訳だね? [05:44.10] ならば、ある男の特殊な性癖を君の復讐に利用してみようか? [05:52.49] さぁ、もう暫し…運命の相手は夢の世界で待つものさ!」 [05:58.42] [06:05.83]僕の理想の花嫁は 何処に居るのだろう? [06:16.64]嗚呼 西も東も 北も南も 雨にも負けず 風にも負けず [06:23.84]探したけれど 見つからないのさ [06:30.26] [06:31.31]未来に開く 少女も 過去に開いた 老婆も [06:37.76]蕾も花も 生きとし生ける 全ての女性を [06:40.99]愛でても尚 見つからない [06:45.89] [06:47.43]宵闇の迫る陰が 進む道を呑み込んでゆく [06:53.65]迷い込んだ見知らぬ森の [06:56.80]小さな可愛いお家 —— [06:59.81] [07:00.13]儘、鎖された硝子の中で、 [07:03.31]眠るように死んでる君は、 [07:06.67]誰よりも、嗚呼、美しい。 [07:09.57]やっと、見つけたよ! [07:12.92] [07:13.69]「小人(Zwerg)達よ、その屍体を私に譲ってはくれないか?」 [07:16.83]「こいつ…」「どう」「見ても」「王」「子」「様!」「むしろ」 [07:20.10]「「いいんじゃね!?」」 [07:21.64]「さぁ、もうすぐあの阿呆共がやらかすぞ… —— [07:23.82] 心の準備はよろしいかな?お姫様」 [07:25.89]「お前達、くれぐれも慎重に運ぶように」 [07:27.01]「はい、殿下!」 [07:30.85]「おはよう(Guten Morgen)!」 [07:32.35]「おおー!?」 [07:34.03]「さぁ、復讐劇の始まりだ…」 —— [07:36.07] [07:36.31]魔性の肌は白く [07:39.11]黒曜の髪は黒く [07:42.20]焔のように赤い唇 [07:45.52]妬いたのが お前の罪なら [07:48.86]灼けた靴で―― [07:50.19] [07:50.47]死 ぬ 迄 踊 れ ! —— [07:53.88] [07:54.31]「あーっははははは!なーにそれ?もっと上手に踊って下さらない? [08:00.76] 折角の可愛い娘の婚礼なのよ?あはは!あーっははははは!」 [08:09.90]「なんてことだ…」 [08:11.54] [08:14.62]「鏡ヨ鏡、Maerz鏡。此ノ世界デ一番可愛イノハ誰カシラ?ウフフ」 [08:21.44]「勿論、それはElise姫さ」 [08:24.44]「本当!?嬉シイ!アハハハハハ!」 [08:28.54]