[00:00.00] [00:13.63]忘れな月夜 [00:16.70]Sound Horizon - Nein [00:20.69] [00:23.95] [00:50.75]宵闇の空に… 見上げた月が… 何処か懐かしく… [01:07.44]不意に何故か… ひとすじの《雫》(雨) [01:13.58]降り注ぎ… 浮かび上がる… 駈け抜けた《追憶》(過去)の《幻想》(光) [01:24.22]人差し指で… 掬い上げた… 矛盾を《否定する》(拒む)ように呟いた… [01:36.00]私… 幸せだと… [01:42.06] [01:42.66]What really was the moonlight for her? [01:46.24]The unknown lady, who lived outside of the pages of Märchen, she is the Nein. [01:53.37] [01:53.72]凛と冷たい 静謐な朝の空気 [02:02.00]差し込む光 独り切る十字 [02:10.50]祈りを捧げる 充ち足りた幸せ [02:19.09]感じながらも ふと顧みる… [02:27.26] [02:27.90]貴族の《婚姻》(宴)は 儚い《一夜の幻想》(夢) [02:36.40]踊る相手も選べぬまま [02:45.00]世俗の《権力争い》(遊戯)に 組み込まれて… [02:53.52]狭い鳥籠で 《生涯》(生)を終える…… [03:01.70]その檻の中から 抜け出したのは 自分の意思などではなく [03:10.25]唯… 《役に立たない欠陥品》(ガラクタ)のように 処分されただけ…… [03:17.37] [03:19.82]被告として駆り出された法廷。 [03:22.36]それは、名ばかりの離婚裁判で。 [03:25.31]裁判長をはじめ陪席者に至るまで、 [03:28.06]《ライン宮中伯》(夫)の息が掛かった者達ばかりだった。 [03:31.02]跡継ぎをもたらす事のない魔女。 [03:33.56]邪魔者を離縁する為の茶番。 [03:36.35]有る事、無い事、並べ立て、貶められ、 [03:39.51]「婚姻の無効」だと断罪された。 [03:41.56] [03:42.00]子を生せぬ女は 唯それだけで 罪だと言うのなら [03:52.51]そんな【第九の現実】(世界)に 未練などないわ 却って清々するわ [03:59.11]こちらから願い下げだわ! [04:02.59]速攻 → 激昂 → 選帝侯 ← 月光が見てた…… [04:08.00] [04:08.45](許さん!許さんぞエリザベート、私の顔に泥を塗りおって! [04:14.31]いつまでも飯事を引き摺る行き遅れが、急に素直に嫁いだと思ったら、その結果がこれだ! [04:21.44]こんな失態を犯しておいて安穏と戻る家があると思うな、何処へだろうと勝手にいけ! [04:27.85]お前を取り返した母上と、自らの運命を呪いながら、野垂れ死ぬがいい!) [04:33.99](お嬢様ー!) [04:35.88] [04:36.14]お年を召した方の朝はいつもお早いことっ‼ [04:44.73]飾り立てた悪意を 背中で受け流す [04:53.22]花嫁修業の修道生活 模範的な貴族の子女にとって [05:01.77]私は最低の模範解答 忌避すべき最悪の未来 [05:10.33] [05:10.61]女の《出産適齢期》(季節)は 短い《一瞬の季節》(夏) [05:19.19]瞬く合間に通り過ぎる [05:27.78]刹那の《価値観》(基準)に 弄ばれ [05:36.35]狭い《然れど本質的な同調圧力》(鳥籠)で 《生涯》(生)を縛る…… [05:44.19] [05:44.61]その檻の中から 抜け出して 自分の意思で羽撃ける [05:53.21]そんな《女性にとって自由な時》(時代)が何時か来るのでしょうか? [06:00.57] [06:02.41]お寝坊さん達が起きて来て また新しい朝が始まるわ [06:13.78]駈け寄って口接ける三つの 唇から紡がれる二つの [06:22.69]《大好き♪》(Ich liebe dich) [06:24.30]嗚呼… 親に疎まれ 託された可哀想な 天使達は [06:33.00]皆… 無邪気に笑うけれどーー [06:36.77]一人は耳に 一人は目に そして [06:40.64]一人は喉に 重障碍があった…… [06:47.21]嗚呼… 優しさを生む 母は強さではなく 痛みなのだ [06:55.91]寧ろ 強さはその娘 [06:59.52]信仰の薄い《腰掛け見習い修道女》(娘)に 捨て子と揶揄されても [07:05.11]平気っ エリーゼ・ムッティがいるからっ! [07:12.39]於呼… 主よ… 愛とは何の為に… [07:17.00]母性とは誰の為に… あるのでしょうか? [07:22.54] [07:23.78]於呼… 主よ… 生とは何の為に… [07:28.21]血縁とは誰の為に… あるのでしょうか? [07:33.85](私ね、マリア様って、ムッティみたいな人だったのかもって思うの!) [07:38.64](うん!) [07:39.31]後悔などしていないわ。 嗚呼… これが私の人生。 [07:50.82]《特別に慕われるような聖女》(Die heilige)でも、 [07:53.71]《格別に憎まれるような魔女》(Die Hexe)でもないわ。 [07:57.34]私は【一人の女】(エリザベート)。 [08:01.27]唯の【同じ生の哀しみを抱いた隣人を愛する一人の人間】(エリザベート) [08:11.01] [08:13.80]宵闇の空に… 見上げた月が… 何処か懐かしく… [08:30.40]不意に何故か… ひとすじの《雫》(雨) [08:38.29]