ばらのなまえ 5月の日差しの中で 微笑む様なMary Rose 薄紅色の恋囁いて 株元にこっそり埋めたのは秘密の手紙 伝えずにこのまま貴方を忘れしましょう 強く麗しく開く 気高きQueen Elizabeth 人々は讃える口々に けれどあの人は目もくれぬまま行ってしまった 大事そうに名も無き淡い花を抱き 若き夢よ青春よ 清きPierre de Ronsard 詩のような日々をもう一度 いつかのように貴方は白いアーチをくぐって きっとまた私を迎えに来るでしょう 庭の片隅に咲いた 雨のSt.Cecilia 短い春の日よ いざさらば 見つめる視線の先誰にも気づかれぬよう 胸の中呟く愛しいばらのなまえ 実らぬ恋のなまえ