[00:00.85]「泣かないで」 [00:05.20]雨音 囁いた [00:09.55]焦らず、溶けるまで [00:14.80]寄り添う君に [00:18.90] [00:19.15]凭れた首すじに [00:24.40]流れるソルフェージュ [00:28.75]蕾が確かめた [00:34.70]初めて知るやさしさ [00:39.20] [00:41.65]春の雨 [00:46.00]満たされない花に [00:50.35]教えてくれたのは [00:55.75]いとしい気持ち [00:59.45] [00:59.85]波打つピアノに [01:05.20]指先 重ねてく [01:09.55]聴かせて 見つめていて [01:15.50]初めて出来た笑顔 [01:19.75] [01:20.00]..music.. [01:41.35] [01:41.60]哀は光降る雨に [01:50.30]ほどかれ咲く [01:55.60]口ずさむ歌 天へ飛べ [02:03.10] [02:05.70]忘れなきゃ [02:09.95]耳もと 伝う雨 [02:14.30]ため息 嘘つきね [02:19.60]続くわけじゃない [02:23.65] [02:23.90]教えて もう一度 [02:29.15]ふたりで 鳴らす音 [02:33.50]面影 重ねてる [02:39.45]奏でた君にとらわれて [02:43.75] [02:44.00]◇ ◇ ◇ [03:03.10] [03:03.40]石畳をはねる靴音を雨が和らげる昼下がり、 [03:07.25]傘も持たずに見慣れた小路を歩く。 [03:11.00]周りより少しだけ姿勢のよい街路樹を曲がると [03:14.25]白い洋風の店舗が見える。 [03:17.15]私が色々な理由をつけては彼に会いにきた場所だ。 [03:21.20] [03:22.45]ガラス越しに映る鍵盤を見ると思い出す、 [03:25.65]ここで話した沢山のこと。 [03:28.30]俯いた心をふわりと包みこむ紅茶の香りと [03:32.05]優しいピアノの音。 [03:34.70]あのひとはただの一度も触れず、 [03:36.90]隣に寄り添うだけだった。 [03:39.60]だけど…… [03:41.60] [03:42.25]静かな夜、 [03:43.55]いつも導いてくれる彼が見せた儚い表情 [03:47.65]沈むソファの上、 [03:49.25]ふたりわけあった秘密の時間 [03:52.25]――引き寄せられた腕の中で、 [03:54.30]ゆっくり心が蕩けていく。 [03:57.00]重なりあった薄紅から [03:59.05]残酷なほど心地よい雨が注がれて… [04:03.35]窓辺でひとり傾いでいた花が、 [04:05.70]初めて覚えた幸せ [04:08.25]忘れられない夜想曲(ノクターン) [04:10.50] [04:11.60]けれどそれは、 [04:13.25]彼がくれた最後のレッスンだった [04:16.30] [04:20.15]顔を上げると雨は止んでいた、 [04:23.25]もう彼はいない。 [04:25.50]残されたぬくもりが幾度も胸を刺す。 [04:29.15] [04:29.45]「会いたい…」 [04:30.20] [04:31.45]言葉にして認めた瞬間、 [04:33.55]ぽたぽた涙が零れた。 [04:36.35]今まで出来なかったはずなのに。 [04:39.60]目の前のショーウィンドゥが映し出す素顔を見て、 [04:42.95]私は… [04:44.10] [04:45.50]初めてあなたへの気持ちに気づいたんだ。 [04:49.45] [04:49.70]◇ ◇ ◇ [04:50.90] [04:51.20]愛は光降る雨に [04:59.85]揺られて咲く [05:05.10]私の涙 天へ飛べ [05:12.60] [05:12.90]愛は光降る雨に [05:21.45]揺られて咲く [05:26.80]私の涙 天へ飛べ [05:36.75] [05:56.00]靄は痛み知る頃に [06:04.65]光になる [06:10.00]口ずさむ歌「傍にいて」 [06:17.60]