檻鶴姫 作词 : 日山 尚 作曲 : Meis Clauson 編曲:Meis Clauson 昇る月を背負いて 絡めていた指をほどく 仰ぐ空に徒雲 君の影は いとかなしく 移りゆく現世(うつしよ)の 古里を彩る 桜は今も咲いていますか 枕元には折られた鶴が 祈る代わりに頭(こうベ)を垂れる どうか やすらに眠れ 二度と逢えぬ夜明けを 重ねるうち聲(こえ)は薄れ 呼び合う名も朧(おぼろ)に消えてしまう 月のごとく さようなら またあした 叶わない言の葉 河に浮かべた舟を見送る 照らす灯りは誰の御霊か 風が撫でゆく狗尾草(えのころぐさ)と共に 手を振りましよう 針を刺した縁の袖 向こう岸はトコヤミ(常闇/床病み)の国 仮縫いされた跡をなぞり 君の肌に触れた一一 桜は散りて ふたたび芽吹く 君が遺した誓いの唄が たとえ嘘でも もう泣きません 強く生きてゆきます 私は今も覚えています 筺の中には飛べない鶴が 古き時代の埃を被る 君よ やすらに眠れ