[00:25.39]昔々栄えし国の [00:31.55]王子がひとり狩りへと出た [00:37.89]禁忌の森に入り [00:40.97]崖に足を取られて [00:44.16]気が付けば [00:45.13]月も落ちぬ夜 [00:50.85]そのとき眩暈のなか [00:54.08]近づくのは金色の姿 [00:57.24]気高くそびえた角 [01:00.33]一頭の神神しい牡鹿 [01:03.47]不思議な光に向け [01:06.61]若者は我を失くしたように [01:09.76]弓を構えて [01:11.25]狙いを定めて [01:12.95]撓む弦に鋼の矢 [01:15.72]命など惜しまぬと [01:18.24]鹿は銀いろの声で云う [01:21.34]だがこの森守るわたしが [01:24.50]死ねばすべては茨となり [01:27.46]おまえの都も滅びるだろう [01:30.56]心臓を突き [01:32.09]金の首と剥いだ皮 [01:34.52]勇んで城に運ばれる [01:53.55]幾年か経ち王子は王に [01:59.79]戦破れ国は衰え [02:06.04]茨伝う城壁 [02:09.24]嘆き交わす人々 [02:12.36]愛も幸も遠去かりゆく [02:18.91]やがては喰うものまで [02:22.05]底を尽き飢えと渇きのなか [02:25.26]森へと訪えども朽ちた木々 [02:29.93]芽のひとつもなく [02:31.93]泉も涸れ [02:33.89]獣の影さえなくただ風が通り [02:38.26]疲れ頽れ [02:39.70]ふと目を上げれば [02:41.42]黄金の幼き牡鹿 [02:44.27]あなたは父の仇 [02:46.79]いつかと同じ声が響く [02:49.87]でも屍と化した国を [02:53.04]再び甦らせるのは [02:56.05]あなたをおいては誰もいない [02:59.18]永遠の [03:00.78]わたしのこの血肉で [03:03.13]国人を救えるだろう [03:34.52]命は捧げましょう [03:37.08]鹿は銀いろの声で鳴く [03:40.19]王は涙をこぼしながら [03:43.36]やわらかな胸へと矢を射る [03:46.32]あの日の過ちを心から懺悔して [03:51.32]悔い改めた王は [03:53.73]禁色の光と生きる [04:00.04]死ぬまで二頭のアラ皮 [04:04.64]纏いつづけながら