群青の猫と始まりの夏 微睡みの中ずっと、捨てようと、した日々。 鳴り響いた風の音、そっと、面影揺らすよ。 振り返り手を振る君に、呼ばれて。 懐かしい影。 ほら、新しい朝が。 ねぇほら、また、始まるよ。 僕ら過ごした夏があったね。 眩しい日差しの中を駆けた、 偽りのような。 色づく景色を、眺め、笑い。 いつか交わしたその約束を、 僕はまだ見つけられない。 記憶の中でずっと、捨てられず、いた日々。 鳴り響いた鈴の音、そっと、まつ毛を濡らすよ。 同じ場所で違う時間を生きた。 消える影法師。 こんな、悲しい日が。 ねぇほら、また、来るなんて。 僕ら過ごした夏があったよ。 変わらずに続いて行くのだと。 陽炎のような。 遠い夏空、追いかけ、笑い。 あの日交わしたその約束を、 僕ら探し歩くんだ。