桃色兎と限りない春 水をやり続けた花が、枯れて、なくなってしまった。 それがとても、悲しかった。 「変わり、変わり、続けることは、とてもいいことだね」 と、昔、友達の猫が言った。 その意味がわからない。 水をやり続けた花が、枯れることはなくなった。 それもなぜか、悲しかった。 桜色した、花びらが、舞い落ちては積もった。 綺麗だなと思った僕は、ずっと、見てたいと思った。 時を、時を、巡ることは辛いことだと思ってた。 流れの外に、残された。 寂しくないと思った。 「変わり、変わり、続けることは、とてもいいことだね」 と、昔、友達の猫が言った。 その意味がやっとわかった。 ずっと、ずっと、忘れていた。 約束を、思い出した。 ずっと、ずっと、夏を待った。 いつまでもこなかった。