[00:00.000] 作词 : コウ [00:00.529] 作曲 : コウ [00:01.58]「ナツキ、何読んでんだ?」 [00:06.53]「"忘却日記"って本。」 [00:08.37]「せっかくこんな景色のとこ来たんだ。そんな汚ねぇ本置いてこいよ。」 [00:12.98]「大自然の中で読書する幸せ、ソラには分かんないかなぁ。」 [00:16.58]八月の終わり。毎年やって来るはずの長月が、 [00:21.15]僕等には来なかった。 [00:22.69] [00:37.16]孤独な森の中 黒く湛える神社には [00:43.89]静かな 想いと裏腹に咲く ひぐらしの唄(あそび) [00:52.02] [00:52.30]夕暮れにざわめく空 遠くで鳴く風鈴が [01:00.84]戻れない世 固く結んだ手を今隔てた [01:08.54] [01:09.13]何故私は君に触れない? [01:17.08]何故僕は君が見えない? [01:24.78] [01:25.15]逃げ出す二人を 掻き回した夏の匂い [01:31.95]暦は続くはずの長月が 最初はじめから無かったように [01:39.65] [01:40.40]壊れた存在の 歯車が軋んだ [01:47.05]回って回って 何度も君を呼んだ [01:53.69]聞こえない触れない こんな近くなのに [02:00.38]透けてる身体も 愛しいのに焼かれて [02:07.72] [02:08.00]もう一度会いたい [02:11.68] [02:12.51]八月よ私を返して 取り戻す術を頂戴 [02:28.69] [02:29.50]ソラにはナツキが見えなくなっていた。 [02:37.71]そして彼自身も、この世界から離れかけていた。 [02:43.40] [02:43.75]夕暮れにざわめく空 枝分かれの小道にて [02:52.06]君はもう戻ること無い日を 手放そうと [03:02.33] [03:02.61]「今行くよ 永久の夏まで。」 [03:10.45]「許してね 馬鹿な私を。」 [03:18.19] [03:18.49]微笑んで僕を離した 君のこと愛せたかなねぇ [03:34.30]巻戻る夏の唄声 消えた僕らだけの8月32日 [03:50.60] [03:52.61]彼は目を覚ました。 [03:55.27]何かが欠けた、九月一日に。 [03:58.03] [03:58.34]ひぐらしが泣いていた