[00:14.300]ポッカリ月が出ましたら、 [00:18.300]舟を浮べ(うかべ)て出掛け(でかけ)ませう。 [00:22.300]波(なみ)はヒタヒタ打つ(うつ)でせう、 [00:26.300]風も少しはあるでせう。 [00:44.300]沖(おき)に出たらば暗いでしょう、 [00:49.300]櫂(かい)から滴る(したたる)水の音(ね)は [00:53.300]然(しかし)ものに聞こえましょう、 [00:57.300]— —あなたの言葉のとんれ間を。 [01:12.299]月は聴き耳立てるでしょう、 [01:17.299]すこしは降り(おり)ても来るでせう、 [01:21.299]われら口付け(くちつけ)する時に [01:25.299]月は頭上(ずじょう)にあるでしょう。 [01:33.300]あなたはなほも、語るでしょう、 [01:36.300]よしないことや拗言や、 [01:41.300]洩(も)らさず私は聴くでしょう、 [01:45.300]— —けれど漕ぐ(こぐ)手はやめないで。 [01:52.300]ポッカリ月が出ましたら、 [01:56.300]舟を浮べ(うかべ)て出掛け(でかけ)ましょう、 [02:00.299]波(なみ)はヒタヒタ打つ(うつ)でしょう、 [02:04.299]風も少しはあるでせう。 [02:30.300]ポッカリ月が出ましたら、 [02:35.300]舟を浮べ(うかべ)て出掛け(でかけ)ましょう、