[00:28.44]人里離れた深い深い谷の奥に [00:34.71]彼らの棲家がひっそりとあった [00:39.20]龍たちの住まう谷 [00:43.53]そこへ置きざりにされた赤ん坊が一人 [00:49.79]それを見つけた龍も困り果てたが [00:54.24]共に生きると決めた [00:57.79]龍と人 [00:59.01]けれどまるで家族のように暮らし大きくなった [01:05.56]やがて外を知りたくなった [01:09.21]止められたとしても [01:11.88] [01:14.55]どいてくれ! [01:16.43]僕は知りたいんだ 自分のこと [01:22.21]見たこともないような生まれた街だとか [01:26.30]知らないことはもう全部 [01:29.41]行かないで! [01:31.65]龍だって、そんな風に言いたかったけれど [01:37.46]なら私もともについていこう [01:41.36]龍であることを捨てて、今 [01:50.85] [01:59.27]目にするものがすべて初めての少年は [02:05.15]光る街をただ愕然と見ていた [02:09.79]何もかも忘れて [02:13.48]彼はすぐ街に溶け込んでいく [02:17.30]龍の心配なんかはよそに [02:21.16]「ここで生きていくことを決めたよ」 [02:24.87]笑って言うんだね [02:27.07] [02:28.09]泣いてくれ [02:30.05]そんな風に思うことはわがままなのかな [02:36.10]君が幸せならそんな風に思うけど [02:40.11]育ったあの谷のこと [02:43.12]忘れちゃうの?いつか [02:46.82]それはとても寂しいけど [02:51.11]もう何も私は言えないよ [02:54.97]君の中から消えようとも [03:00.52] [03:02.75]いぇ いぇ [03:06.35] [03:07.40]もうずいぶん大きくなったね [03:10.95]もう一人でも大丈夫だね [03:14.81]人間じゃない私はただ [03:18.40]何もできないから [03:21.38] [03:22.91]サヨナラも言わないで [03:26.62]龍はただ姿を消した [03:31.01]「人間じゃないから」「いつか邪魔になるから」 [03:34.81]そう手紙に残して [03:37.79]龍の谷を出ても泣かないで笑えたのは [03:45.92]ただ君がそこにいてくれたからなんだよ [03:53.36]そうなんだよ